令和4年度 第二回 創業支援セミナー
令和4年度第二回の創業支援セミナーでは、家業の雑貨屋を営みながら
カメラマンとして全国を飛び回っている石井さんと、
印刷業を経営している女性起業家の渡邉さんを講師としてお迎えし、
講義と意見交換会を企画しました。
☆講師
・株式会社オリンピア
代表 石井 小太郎さん
・KINEN energy 株式会社
代表取締役 渡邉 文 さん
☆参加人数
17名
☆セミナーレポート
石井 小太郎 さん
高校卒業後、靴作りの専門学校へ進学。
その後、デザインを学ぶためにイタリアへ留学。
帰国後、日田市内のデザイナーと知り合い、
音楽のイベントに帯同し写真撮影へ挑戦することに。
「初めての撮影仕事で、使えない写真と言われた。」
一生懸命撮影した写真を否定されたのはショックだったと石井さん。
その夜、全国各地から音楽イベントへ来ていたカメラマンの先輩方に、
イベント撮影に適したカメラの設定を教えていただいたとのこと。
先輩方のアドバイスのおかげもあり、
翌日からは採用される写真も出てきたそう。
この事から石井さんは、写真について学びたいという気持ちが一層強くなりました。
「出来ますと言い切ることの大切さ。」
その後ヒタスタイルの写真のお仕事が始まり、
料理、風景、人物などジャンルを問わず撮影することに。
初めての撮影では分からないことばかりで、
本屋さんで参考書籍を購入して勉強していたそうです。
そして、勉強の甲斐あって大きな音楽イベントの
記念誌の表紙に石井さんの写真が採用。
この実績が大きな転機になったとのこと。
現在は東京での修行期間を経て、
地元日田市へ拠点を移し家業の経営を行いながら
全国を飛び回っている石井さん。
自分が一生懸命やった仕事を否定された悔しさを原動力に変換して
取り組まれたことや、
東京での修業時代の、ポートフォリオを持って編集社へ営業に行く気合は
事業を進めていく為に必要なのだと気付かされました。
芸能人の撮影やに拠点での活動など、
一見華やかに見える事業の裏には、石井さんの事業に対する強い気持ちがあって
成り立っている。
という創業の厳しさや難しさも学ぶ事ができました。
☆質問
- Q.値段の設定はどうやって決めていますか?
A.地方と東京では相場が違うので、その地域の写真館の値段を参考にさせて頂くこともあります。
- Q. 人を撮影する時に気を付けていることはありますか?
- 撮影は10分で終わることもあるのですが、相手がどういった人なのか考えながら撮影しています。芸能人であれば出演しているドラマなどはチェックをし、
コミュニケーションを取りながら自然な姿を撮影できるように心がけています。
- Q. 上京した際はどうやって仕事を得ていましたか?
A. ポートフォリオを持って、様々な編集社に営業に行きました。
そこで得たチャンスは絶対に掴み取ろうと準備をして
仕事に取り掛かっていました。
渡邉 文 さん
「女性ならではの看板を」
前津江村出身。
高校時代はボート部に所属をし、
全国大会で準優勝した経験の持ち主。
結婚を機に日田へ帰郷。
渡邉さん自身に看板業の経験は無かったものの、
経験のあった友人と協力をして看板業を創業。
当初は女性ならではの目線で商品が作れたら良いなと考えていたものの、
大きな看板等は女性の力で設置をすることが出来ず、
建設業の許可証やトラックに貼り付けるカッティングシートなど
サイズの小さいものから取り組んでいたそうです。
未経験ということもあり、毎日が不安の連続で
そうした不安を吹き飛ばすためにもイラストレーターの勉強を
独学で取り組み、デザインの勉強をしていました。
最近は勉強したことを使って商品開発を行ったり、
身についたスキルが直接仕事につながることが増えてきたりと、
楽しいと思えるようになってきたそうです。
セミナー参加者の中には女性の方が多かったこともあり、
子育てと仕事の両立についてなど
多くの質問が飛び交いました。
☆質問
- Q.子どもが急に風邪を引いたりした際、仕事はどうされていますか?
A.事務所への出勤を辞めて、在宅でできる業務に切り替えつつ、
受注などの連絡は受けられるように仕組みを作っています。
- Q. 法人から始めたメリットはありましたか?
- 個人で良かったかもしれません。ただし代表取締役という肩書きがあることで
信用度が増し、営業が身を結ぶことがあります。
- Q.商品開発をする上で売れる商品、売れない商品の見極めはどうされていますか?
A.商品を作りInstagram、minneなどネット上に写真をあげて、
いいね!の数を参考にして増産するか決めている。
↑ハンドメイド作家の方々に商品撮影の方法を伝える石井さん。
☆総括
今回の創業支援セミナーではクリエイティブなお二方にお話を頂き、
創業時の想いの話から現在の具体的な業務内容に至るまで
細かい話を沢山聞くことができ、参加者の満足度も高いように見えました。
また、皆さん共通した課題として
値付けの方法があり、具体的にどういう根拠で値付けをしているのかについて
触れられていた点も
満足度に繋がっているように感じました。
講義終了後の意見交換会では二つのテーブルに分かれて
各講師と悩みの共有や意見を求めたりしている姿が見えました。
参加者と講師、参加者と参加者は連絡先を交換しており
今後もこの会をきっかけとした交流は続いていきます。
参加いただいた皆様、ご協力いただいた関係各所の皆様
ありがとうございました。